キターッ!! フリースタイルスキー女子モーグルの予選がスタート。日本のエース上村愛子(26)=北野建設=は、予選でいきなり高難度の3Dエア「コーク720(セブンツー)」を完ぺきに決めた。期待を裏切らない芸術技をトリノの青空で披露。勇気の大技に観客も大歓声を送り、24・20の高得点をはじき出し、5位で予選を突破した。里谷多英(29)=フジテレビ=は9位、伊藤みき(18)=滋賀・近江兄弟社高=は15位で予選通過。畑中みゆき(30)=佐川急便=は27位で予選落ちした。
完ぺき芸術級 予選5位通過
愛子が、トリノの青空に芸術的かつダイナミックなエアを描いた。世界で数人しかできない大技、「コーク720」だ。勢いよく宙返りし、身長156センチの小柄な体が紺碧(こんぺき)の空に吸い込まれる。宙へ飛び出した瞬間、観衆のだれもが息をのみ込んだ。だが、すぐに大歓声で場内が沸き上がった。得点は24・20。その中のエア点は5・89で全体の2位だった。
予選で出るか、出ないか、注目された技だった。第1エアはヘリコプターで難なくクリア。一番の見せ所、第2エアで失敗を顧みない勇気を見せた。長野、ソルトレークシティーと過去2度の五輪で味わったメダルへの執念と苦闘の集大成だった。
「取れなかったら、いつまでもやめられない。だれにも負けないものをやりたい」2003年の3Dエア解禁が後押しした。トランポリン、ウオータージャンプで自分に合ったエアを模索する中、コーク720に行き着いた。けがと闘いながらつかんだ技だけに、ギャンブルじゃない絶対の自信があった。上村も右手を突きあげてゴールし、滑走後は最高の笑顔がはじけた。
完成度が増すごとに自信も深めた。長年の悩み、外反母趾(し)対策に足に合う改造ブーツも特注した。また衝撃に強いスキー板を求めて素材を「ブナ」にし、長さも宙返りしやすいように従来より6センチ短く改良した。胸には長野・善光寺のお守り。トレーナーで栄養士でもある母・圭子さん(53)も全面サポートし、昨年6月には「Team aiko」を結成して、一丸となって挑んだ。その成果は、予選でいきなり爆発した。
◆里谷9位発進
〇…4回目の五輪でも、里谷の“勝負師”ぶりは健在だった。エアのフロントフリップ(前方宙返り)を温存したまま、9位で予選通過。「(予選の順位は)いいところ。遅かった。予選落ちしたらいやだと思って、ちょっと抑えた」サラリと言った。五輪直前まで腰痛に悩まされてブロック注射を打ち、エアが完成していない不安もあったが、本番にきっちり照準を合わせ、まずは予選で結果を出した。