先月に吐血し、意識不明で入院した映画評論家・水野晴郎さん(74)が21日、都内で復帰会見を行った。
少しやせながらも元気全開だった。「いろいろご心配おかけしました。おかげさまで無事退院しました。最終的には過労ですね」。冒頭であいさつすると、止まらなかった。「病院で風邪をもらった」と時折せき込みながら約7分間、病状説明を質問を受け付ける間もなく一方的にまくし立てた。
水野さんによれば、吐血は1月27日に歯ぐきから出た血が止まらず、眠ったあとに血を飲み込み、胃の中でたまったものが吐き出されたのだという。CTスキャンで脳が縮小していたことも笑顔で明かした。ベッドから落ちたこと、救急車で運ばれたこと、病院で検査を受けたことなどは記憶に残っていないという。
「35時間、まったく記憶がなかった。人間の死ってこういうもんかと後で思いました」と“臨死体験”を告白。戦後に満州の荒野を家族で歩いて逃げたときの母親の声で目覚めたという。「『ダメよ、歩かなくちゃ死んじゃう』という声を聞きました。オレは映画に人生かけてきた。作らなきゃダメだと思った」
医師の反対を押し切って10日に勝手に退院。舞台や試写を見まくっている。監督、脚本、主演を務める映画「シベリア超特急」シリーズのファイナルになる「6」の撮影は延期され秋ごろにクランクイン。
ベッドの上で構想を変えて“フラッシュバック”を多用することに。臨死体験を演出に生かす。「山下将軍が死ぬところまでやります。最後は泣かせます」と不死身ぶりを印象づけた。