新日本が6日、旗揚げ34周年の後楽園大会で「新戦力」をデビューさせた。500万円で購入した5メートル四方の大型ビジョンがそれで、設置可能な全会場で使用する。大会場での使用は他団体でも一般的だが、自前のもので、地方大会でも使用するのは、日本でも初めての試みだ。この日は紙テープ投げ入れ解禁、旗揚げクイズなど新企画を次々に実行。リング内外のトラブルに揺れた新日本だが、過去の固定観念すべてをぶち壊し、ファンの信頼を取り戻す。
後楽園ホールに詰めかけたファンは、北側の壁に設置された大きなスクリーンを見上げた。34年前の旗揚げ戦の映像が、設立の経緯紹介とともに流された。設備自体は他団体の大会場大会でも、おなじみ。だが新日本は、500万円で購入し、設置可能な会場すべてで映像を流す。大会場の雰囲気を地方のファンにも味わってもらい、プロレスの魅力をアピールするのが狙いだ。
17年間、新日本の会場演出を担当する鈴木敏氏は「今の若い人は映像に慣れている。場外乱闘も死角になって見えないのは不満なはず。若い人が求めるものをやっていこう、という姿勢の表れです」と説明する。巡業には中継車も帯同するので、作り置きの映像ではなく、前日の試合を編集して流すことも可能。もちろん国内の団体では初めての試みだ。菅林直樹副社長は「将来的にはハイビジョン方式で放送する」と、画像の質にもこだわっている。
この日は、ほかにも新たな試みがあった。旗揚げ記念日にちなんだ「1972年3月6日の旗揚げ戦の第1試合のカードは?」などのクイズを実施。昨年12月25日に実施して好評だった入場ゲートでの選手の出迎えも行った。禁止されていた紙テープの投げ入れも試験的に解禁した。
経営状態が好転したわけではない。だが、金をかけてでも、観客にプロレスを楽しんでもらうため、知恵を絞っている。菅林副社長は「ひたすらファンの信頼を取り戻すしかない」と強い決意で新たな試みを続ける。