歌手の森進一(59)が、代表曲「おふくろさん」を手がけた作詞家・川内康範氏(86)から絶縁を宣言された。同曲の冒頭に歌詞を無断で加えたことに川内氏が激怒。「ぼくの曲は二度と歌わせない。(森と)会う気持ちは一切ない」と語り、法的手段も辞さない構え。森は都内で緊急会見し、「30年前にできた曲。今まで言われたことはなかったのに」と困惑。早期の和解を希望したが、話し合いは難航しそうだ。
森の代表曲「おふくろさん」(71年)の冒頭に、メロディー付きの短いセリフが加えられていることが発端だ。このセリフバージョンは、ステージ演出家の保富康午(こうご)氏がコンサート用に書き加え、1977年発売のライブ盤に収録。それから30年、森は公演でたびたび披露し、一昨年、昨年と紅白歌合戦でも歌った。
森はこの日、NHK歌謡コンサートの出演前に同局で会見。当時、川内氏にセリフ付け足しの報告をしなかったことを認めた上で「僕は歌うだけで、当時のスタッフが報告したと思っていた。突然のことで驚いている」と困惑の表情。「できるだけ早く歩み寄りたい。当時かかわったスタッフにまず先生と話してもらって、『(歌って)いい』とお許しが出たら会いたい」と直接謝罪を希望した。
しかし、怒りが収まらないのは川内氏。森の会見から1時間後に都内で取材に応じ、「会うつもりは一切ない」と強い口調で言い切った。これまで一度も抗議はなかったとする森の主張も、「ぼくは6、7年前から言っていた」ときっぱり。30曲以上の森作品を手がけているが「ぼくの曲は二度と歌わせない。ジャスラック(日本音楽著作権協会)にも届け出た。歌った場合は、法的手段に出る」と明言した。
昨年末の紅白歌合戦をビデオで見た川内氏は、今月17日に森を含むスタッフらに事情説明を求めたが、森が風邪を引き、対面自体が中止に。川内氏はこのドタキャンで余計に腹が立ったという。「(森が)困っている時にどれだけ助けてやったことか。人間失格である」と痛烈に批判した。
和解の可能性について「歌詞を削除するとかの問題ではない。会いたくない」と強硬姿勢を崩さない川内氏。現段階で両者の対面予定はなく、騒動は長期化しそうだ。
◆「おふくろさん」の冒頭に加えられた歌詞 「いつも心配かけてばかり いけない息子の僕でした 今はできないことだけど 叱(しか)ってほしいよ もう一度」